「忘れ物が多い」「何度言っても治らない」というのも、親御さんからよく挙がる相談の一つです。
学習道具が揃っていないというのも、学習参加において大きな困りに繋がることがあります。
配慮のある学級では、忘れ物をしたとき、貸し出し用の文房具や教科書がある場合もありますが、数に限りもありますし、将来の自立を考えると現実的とも言えませんよね。
では、どうして子どもは忘れ物を繰り返すのか、
またそこに向けた対策はあるのか考えていきましょう。
①ADHDの気質があり、注意が散漫
ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、注意欠陥・多動性障害と呼ばれる発達障害の一つです。ADHDは、親の育て方が原因でもなければ、本人の努力次第でどうにかなるものでもありません。
大切なのは、苦手であるという自覚をした上で、忘れにくくする環境を整えることです。
たとえば「国語の授業に必要なのは、教科書とノート、漢字ドリルと漢字ノート」と分かるように教科ごとに1つのファイルにまとめたり、ゴムバンドでひとまとめにするなどの工夫が考えられます。
あた背表紙に色シールを貼り付けて「黄色は国語」など一目で分かるような視覚補助をつけることも有効です。
②必要なものを把握できていない
学校では筆箱や下敷きのように常に必要なものと、ある時期ある単元だけ必要、その日だけ必要などのものがあります。お子さんのことを観察して、どちらの忘れ物が多いのかを調べてみましょう。
常に必要なレギュラー陣を忘れている場合は、「毎日持っていく持ち物リスト」や「月曜日に持っていくリスト」などを作って、チェックをしながら準備をするのがおすすめです。
イレギュラーのものを忘れている場合は、学年だよりや行事予定表などを冷蔵庫や玄関など、親子がよく目にする場所に掲示したり、カレンダーに書き込んでおいたりするのが効果的です。その場合は、手間かもしれませんが、親御さんも協力してあげてください。
③時間の余裕がない
子どもたちの1週間の予定を聞いていると、毎日のように習い事の予定が入っていて、サラリーマン並みに忙しいなと感じることがあります。また朝起きるのが苦手で、バタバタと家を出るために忘れ物が多いといったこともあるようです。
そういった場合は、学校の準備をする時間を取ることを習慣化したり、いまやっていて上手くいっていない場合は時間帯をズラすなどで解消する場合があります。(準備を当日の朝にしていたけど、寝る前にするようにしたなど)
NG対応
さて次は、忘れ物を繰り返す子へついついやりがちなNG行動をご紹介します。
①忘れ物をしたことを責める。
②親が毎回届ける。
③忘れ物をしたことへの罰を与える。
これらの対応は、問題の改善に対して効果がありません。それどころか忘れ物をしたことを隠すようになるかもしれませんよね。親が届けるというのは、一見よさそうですが、これを繰り返してしまうと「どうせ忘れても親が届けてくれるから」という誤学習をする恐れもあります。
なので、はじめは面倒かもしれませんが、親がそばについて一緒に準備をしたり、忘れ物をしなかった時に褒める、ポイントを貯めるなどポジティブな関わり方が望ましいです。
まとめ
忘れ物が続く場合は、一緒に習慣づくりを練習したり、準備をしやすい(忘れ物をしにくい)環境設定をしてあげることが効果的です。ぜひ、お子さんに寄り添ってスモールステップで練習をしてみてください。今は手がかかるかもしれませんが、子どもが自力でできるようになれば、親御さんの負担もグッと減りますよ
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