机の中の整理は、学習にも大きく影響します。
先生から「ハサミを出しましょう」と言われた時に、周りの子はパッと準備しているのに
片付けが苦手な子は、道具箱の中をガサゴソ…数分経っても見つからず、机の上には道具箱の中に溜まっていたプリントや作りかけの折り紙が散乱している…なんて光景を、小学校でよく見かけます。
大人でも、なんなら先生の中にも片付けが苦手な人は多くいますよね
プリントや書類が地層のように重なって、あるタイミングで雪崩を起こすという
これらが起こる要因としては
①そもそも片付け方が分からない「未学習」
お片付けって、じつはきちんと習うことが少ないですよね
低学年のうちは、先生が「お道具箱の左側には、ハサミとのりと折り紙を入れます」など親切丁寧に教えてくれたり、週末あたりに道具箱の片付けタイムを作って、いらないものの取捨選択をする機会を作ってくれる先生もいます。ですが、そこまで丁寧に指導してくれる先生は稀かもしれません。
そこで大切なのが、そもそも散らかりにくい仕組みを作るということです。
最近では、道具箱の中を仕切れる板が付いていたり、小分けのケースが付属されているお道具箱などもあります。そういったものを活用して、ものが帰る場所を決めておいてあげると、散らかることがグッと減ります。
また、イラストやモノの名前など(視覚補助)で、どこに何を置くかを知らせてあげると
さらに丁寧です。
②片付ける習慣がない
机の中が汚い子は、大抵カバンの中も汚いです。
ランドセルの底でプリントがクシャクシャになっていたり、
使い終えて湿ったハンカチがいつまでもカバンの中に入っていたり…
そういった子ども達に、どうしてか聞くと大抵「面倒くさいから」という理由が返ってきます。
彼らにとっては、家に帰って親にプリントを渡すのも面倒くさいし
渡されたプリントを連絡袋にしまうのも面倒くさいのです。
左の写真のものが、小学校でよく使われるいわゆる連絡袋ですが、
どうですか?いちいちチャックを開けてプリントを入れてまた閉じて…と、面倒くさくないですか?
整理ができない子はこの面倒くささを嫌がるのです。
また、ABA理論(応用行動分析)に基づいて考えると
その面倒くさいことをした後に、ご褒美があると頑張れるんです
たとえば、プリントを渡せたらお母さんに「褒められた」とか
プリントを渡せたらキッチンで充電しているゲームを渡してもらえる、おやつをもらえるとか
「行動したこと」で良いことが起きると分かるとその行動は増えていきます。
これを専門用語で「強化」と言います。
③注意の選択や持続が苦手
片付けをしているうちに、他のことが気になりはじめて、途中で片付けをやめてしまうというのが、このタイプですね
こういった子には、タイマーなどで「じゃあ、3分で片付けよう」など、終わりの時間を提示してあげることが有効です。途中で注意が逸れそうになっても、「あと2分あるよ!これが終わったら○○しようね」など、自然とその時にやるべき課題へ促すことができます。
学習スペースが整っているというのは、学習の基本です。
散らかった机は、それが刺激となり集中を切らせる原因になることもあります。まずはじめは大人も側について習慣づくりを手伝ってあげましょう。
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